結婚してみて思うこと

家族

結婚して16年の月日は私達にとって大きな変化がありました。それは二人の子どもに恵まれたこと。そして楽しい毎日を送っています。私達は節目の写真を飾る事が好きです。私達の結婚式の記念写真も壁に飾ってあります。思い出と言うのは大切なものです。楽しい思い出や忘れたくないできごとは、そのときの風景を収めて大切な思い出のかけらにします。それは、この思い出を忘れたくないからです。

人と言うのは年月が経てば昔の記憶は次第に薄くなり、ハッキリと思い出すことができなくなります。どんなに楽しい思い出でも、どんなに印象深い出来事であっても人は忘れていくのです。どうやら人が記憶を忘れていくことは、防衛本能と関係があるようです。子どものころに辛い経験をしたとしても、この「忘れる」ことによって人は前に進めるのです。確かに、誰にだって思い出したくない記憶の一つや二つはあるでしょうが、逆に忘れたくない記憶もあるのです。その記憶のかけらというのは、ちょっとしたきっかけで思い出すことができます。そのきっかけとなるのが私の場合は「写真」になるのです。

よく結婚式では枯れない花と言われるプリザーブドフラワーを利用しますね。あれも結婚式に使った花やブーケなどを長年保存するのに適しているため人気です。それは、この写真と同じではないでしょうか。ずっと変わらず当時のままの姿であり続けるものは、どんどん変化していく環境や状況の中にいる私たちにとってほんの一時、当時を振り返ることができるきっかけのアイテムなのです。

子供たちの目線

子ども達はどういった思いで、その写真を見ているのでしょうか。ちなみに聞いてみました。綺麗だと思うよ。自分もいつか結婚したいと答えました。嬉しい反面、いつかはこの子達も手元から離れていくのだなと思うと寂しくもありました。それは親になって初めて分かったことです。私たちが結婚するとき、両親は同じ気持ちで私たち夫婦を見送ってくれたのだなとそのときに分かったのです。涙を流す父親の気持ち、優しく見送ってくれた母親の気持ちがこのとき初めて理解でき、まだ先のこととは言えいつしか自立し巣立っていく我が子を思い浮かべると自分の両親と同じことをするのだろうなぁと思ったのです。

また、逆にこの子の結婚式には、色んな事をやってあげたいなんて思いもよぎっているのです。私達は自分達のしたい事を、したい様にやってきました。結婚にまつわる事柄も殆ど自分達の意思に基づいて進めてしまいました。しかし、今、親になって思う事は、きっと私達の親は寂しい思いをしたのではないかということです。特に母親はもっと結婚式に関わりたいと思っていたのではないかと。ふと改めて考えて見ると、そんな思いがしたのです。